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特集企画
MY LOCAL POP UP
ローカルを愛するあの店に出かけよう!
日々の暮らしに発見と楽しみを届けてくれるローカルショップ。
街に明かりを灯し続けるようなそんなショップに、
私たちP.F.Candle Co.も日頃から共感と親しみを覚えます。
本企画ではそんなショップオーナーやバイヤーへの取材を通し、
お店のこだわりや、ローカルに対する想いなどを紹介します。
ショップでは期間限定ポップアップ・イベントも開催予定です。
ぜひインタビューを読んでから、お店に足を運んでみてください!

VOL.05
2025 EARLY SUMMER
KAGAWA TAKAMATSU
Casa on style (香川・高松)
アートと工芸に育まれた感性が宿る空間。

Casa on style
カーサ・オンスタイル
香川・高松に拠点を構える「Casa on style」は、家具、照明、オーダーカーテン、インテリア雑貨と、シンプルで上質なインテリア空間を提案する地域に根付いた総合インテリアショップです。リラックスできると同時に、暮らす人の好みや個性に寄り添うことを大事にし、店舗での接客販売はもちろん、コーディネート提案まで幅広く対応しています。地元の作家やアーティストなどとも繋がり、新しい取り組みも行なっている。
暮らしの余白に、ときめきを。
柔らかな光が差し込む、高松の住宅街の一角。大きな窓と高い天井を持つその空間に、一歩足を踏み入れると、空気がすっと澄んで感じられる。家具、照明、カーテン、テーブルウェア、アート。国内外からセレクトされた家具や雑貨を扱いながら、それぞれが主張しすぎることなく、でも確かな存在感でそこにある。
「お店には常に新しい空気を入れていきたいんです」
そう語るのは、カーサ・オンスタイルのバイヤー兼インテリアコーディネーターの多田さん。店舗のセレクトから空間提案まで手がける、まっすぐな感性の持ち主だ。暮らしの中の“なんとなくの違和感”を丁寧に読み取り、お客様と一緒に空間をつくりあげる彼女の仕事は、商品を売るだけではなく、“暮らしの輪郭を一緒に探していく”ような営みに近い。
今回の取材では、そんなカーサ・オンスタイルの成り立ちから、お店づくりの姿勢、そして高松の地について、多田さんにゆっくりとお話を伺った。穏やかな佇まいのその内面に秘める熱い情熱とともに。

- カーサ・オンスタイルに関わるようになったきっかけを教えてください。
多田さん: この店舗は「カーサ・オンスタイル」として移転オープンした場所です。オーナーである父が家具メーカーから独立して始めたインテリアショップですが最初は市街地で、現在よりもコンパクトなお店でした。
私は短期大学のデザイン課を卒業後、カーテンショップに就職し、販売業務に従事していました。入社当初は戸惑うことも多かったものの、3年間新築住宅などを担当する中で多くを学びました。充実していた一方で、「次のステップへ進みたい」との思いが芽生え、退職を決意。帰宅して父に報告した際、「今日、移転場所が決まった」と告げられ、驚きました。その瞬間、新たな道が見えたように感じました。
- 昼間の現場と、夜の座学とインテリア一色の時期を過ごされたんですね。
多田さん: カーテン以外のインテリアの知識がほとんどなかったので、基礎から学び直すことにしました。昼間はここで働きながら経験を積み、夜は学校でインテリアの基礎を一から勉強して、約2年間、本気で取り組みました。そのおかげで、幼い頃から夢だったインテリアコーディネーターの資格を取得することができました。
それが12年から13年前ほどのことですが、あの頃に学んだことは現在も大いに役立っており、無駄だと感じたことは一つもありません。たとえ難しいオーダーがあっても、「どのように解決し、お客様のご期待にお応えできるか」を常に考えながら、誠実に取り組む姿勢を大切にしています。
おかげさまで、お客様からご満足のお言葉をいただいた際には、心からやりがいを感じます。しかしながら、自分の中では「まだまだ、より良いものを」と向上心が尽きることはなく、その思いが仕事への原動力となっていると感じています。

高く開放的な天井と、正面のウィンドウから差し込む光に包まれて、凛とした空気が漂う店内。
- 展示会などでお会いした印象だと、物静かな方かなとも思ってたんですが、とてもエネルギッシュな方だと、お話を聞いてびっくりです。
多田さん: きっとその時は真剣に香りを選んでいたんだと思います(笑)。休日は音楽のライブに行ったり、アートが好きなので美術館もよく行きます。香川は元々そういうアートや建築の土壌があるのも特徴のひとつで。丹下健三(*1)の「香川県庁舎(*2)」に代表されるモダニズム建築や、その中には剣持勇(*3)の家具があり、猪熊弦一郎(*4)の作品があったりと。丸亀の「猪熊弦一郎現代美術館(*5)」は特にお気に入りの美術館です。
小さな頃から絵を描くのが好きだったり、ピアノを習ったりしていて、私自身も芸術の面白さに惹かれていました。出会った瞬間に、自分の中で心が開くような感覚があって、ときめきやワクワクを感じるんです。今の自分の環境や心理状態を含めて、自分に寄り添ってくれるような、芸術にはそんな瞬間があって。パワーをもらえるんです。
- お店のセレクトなどで意識されていることはありますか?
多田さん: 特に私たちの中で会話に出てくるのが「カーサ・オンスタイルらしいよね」という言葉です。素敵な商品に出会ったとして、それがどのくらい私たちのお店に、店舗の雰囲気に、そしてお客様の暮らしに合うのかなと、その軸になるのが「らしさ」です。そしてこの「カーサらしさ」を敢えて言語化はしないようにしています。固定化すると、ちょっと面白くない気がするからです。
それでも敢えて軸とするなら、「常に新しい風を取り入れたい」こと。そして洗練されているのも好きな要素の一つですね。そのためにも日頃からアートや音楽、同時代の文化を体で感じながら、感覚を磨いているんだと思います。
- 過去から現在までの、インテリアのみならず、アートや音楽の体験が「カーサ・オンスタイルらしさ」を作っているんですね。
多田さん: 基本としての、家具やインテリアの良さというのは大切だと思います。忙しい毎日の中で、ふっと疲れた身体を癒してくれる家具や空間があれば、心が落ち着きますよね。そこは前提として大事だと思います。その上で、一人ひとりのお客様が本当に求めている住まいや空間は、実際はそれぞれ異なると思うんです。そしてそれは全て正しいんです。ただ、それを視覚的に実現しようと思うと、例えば「好きなイメージがあって、好きな家具があるけど、組み合わせてみると、なんか少し違うよね」と感じられることがあります。そうしたお客様の違和感に対して、丁寧にお話を聞き、お客様の好みや暮らしを想像しながら、最適な導きを一緒にさせていただくのが、私たちの役割なんです。
それぞれの家具の色やテイストは異なるのに、全体で統一感が生まれるような、全てがそのお客様に寄り添った空間になるような瞬間があるんです。常に新しい風を入れて、そして良い提案ができるっていう循環なんです。




(*1) 丹下健三:日本を代表する建築家。戦後モダニズム建築を牽引し、広島平和記念資料館や東京カテドラル聖マリア大聖堂などで世界的に知られる。
(*2) 香川県庁舎:1958年に完成した香川県庁舎本館(現在は東館)。丹下健三が設計し、日本のモダニズム建築の代表作のひとつとされている。
(*3) 剣持勇 :日本のインダストリアルデザイナーの草分け的存在で、柳宗理と並び戦後デザイン界に大きな影響を与えた。
(*4) 猪熊弦一郎 :香川県出身の洋画家。大胆で色彩豊かな抽象表現を特徴とし、国内外で高い評価を受けた。
(*5) 猪熊弦一郎美術館 :1991年に香川県丸亀市に開館した美術館。猪熊弦一郎の作品を中心に展示され、建築は谷口吉生が設計。
MY LOCAL POP UP
P.F.Candle Co. 期間限定イベント
Casa on style (香川・高松)
2025年5月30日(金)〜6月20日(金)
カーサ・オンスタイルでは P.F.Candle Co.のフルラインを取り揃えたPOP-UPイベントを開催いたします。常設でお取り扱い中のシリーズやアイテムに加えてのフルラインナップ、さらに2025年新作のHi-Fiコレクションもご用意し、香りもアイテムも豊富に取り揃えての開催となります。ぜひこの機会に皆様のご来店をお待ちしております。
住所:香川県高松市太田上町991-3
営業時間:10:30〜19:00
*定休日 / 火曜日、水曜日
*営業日、営業時間に関しては公式サイトをご確認ください。
